2024年のまとめ

昨年は振り返ることも新たな目標を立てることも、すっかり忘れていた。詩集を出したのに。

今年は思い出したので、何があってどうだったかを時系列ではなく出来事の単位で書いていこう。

◎詩の話

今年は三重県にある日々詩編集室発行の『まちうた』2024年3月号に詩とエッセイを寄稿した。編集の方とは第四回文学フリマ大阪で知り合って10年くらいになる。出会ったときからいろいろ変化しているけれど、書き続けているとこういうふうに繋がることもあるんだなあ。

『あかるい身体で』を『BRUTUS』の特集「一行だけで」で、機械書房の岸波龍さんに紹介してもらった。こういうとき、私家版ではなく版元から出してよかったと思う。一般的な流通に乗っていないと紹介されづらいだろう。

『私家版詩集アンソロジー』(岸波龍・編集/田畑書店)に『きょりかん』から2篇収録されて、解説も書いていただいた。「海老名絢論」を読んでみたかったから、解説は嬉しく読んだ。それにしても、2017年に『きょりかん』を作って、本当に軽い気持ちで中原中也賞に応募したことが今に繋がっている。

葉ね文庫の10周年を記念した「葉ねのかべ」の展示に詩を寄稿した。企画されている牛さんのお名前はよく目や耳にしていたけれど、ネットでもリアルでもやり取りがあったわけではないので、依頼は意外だった。わたしの詩は年末から掲示されているらしい。掲示期間中にお店に行けるとよいな。

◎詩集『あかるい身体で』関連の話

2023年8月に刊行した『あかるい身体で』の読書会を2024年2月23日に機械書房さんで開催してもらった。23日は金曜祝日。「読書会の前に、渋谷のラジオの『渋谷で読書会』に出ませんか?」と誘われて、面白そうなので「出てみたいです」と返事をし、年度末に向けてさらに忙しくなる頃だったけれど、前日に午後半休を取って東京へ向かった。「渋谷で読書会」は朝9時からの生放送なのだ。コミュニティFMだけど、自分がラジオという公共の電波で喋る日が来るとは思わなかった。

人生初のラジオが生放送だったけれど案外緊張せず、若干『湖面』(初めて作った小冊子)と『きょりかん』がごちゃごちゃになってしまったこと以外は、しっかり話せたと思う。自分が思っているよりも声は高くなくて、聞き苦しくもなくてよかった。ちょっと早口ではあったかもしれない。あと、詩集を作っている時に励まされた曲として、追いかけているミュージシャンのとても好きな曲を流してもらうという、稀な経験をした。

ラジオのあとはアフタートークを収録した。こちらは動画で、わたしは笑うときに口元に手を当てていることが多くて、なんだかお上品である。東京の満員電車は恐ろしいとか、詩人は惑星だとか、詩も小説と同じように読めばよいとか喋っている。

ラジオのアーカイブ:https://note.com/shiburadi/n/na7a3cc2f535b?magazine_key=m7829d879ba1f

アフタートーク(動画):https://youtu.be/Jijqhprmof0?si=HWWJK7vK1inIVIvI

読書会は、それぞれの読者の方が思い思いに詩を受け取ってくださっていることがわかって、とても嬉しかった。わたしは自分の感覚を書き残したいがために詩という手段をとっていて、書いたからには誰かに読んで欲しいと思って本にしている。それがちゃんと届いているというのは、本当にちょっとした奇跡である。

あと、SNSで再入荷のお知らせを見るので継続的に売れているようだし、ぽつぽつと読了や感想の投稿も見かけるから、こういうときにも私家版ではないことの意味を感じる。私家版だとわたしが売りに行ける範囲でしか売ることができないので、出版社の流通経路に乗ることは届く範囲が広がるということ。

◎『戦略などなかった』の話

読書会の日だったか、その前に日帰りで東京に行った日だったか、機械書房の岸波さんに「エッセイを書いてみたら?」と言われたので、試してみようと思って作った本。最初はエッセイだけで1冊にするつもりだったのだけれど、背表紙に文字が入るくらいの厚みにしたかったので無理を悟り、また、わたしが他人の日記を読むことが好きなので、日記の抜粋も入れることにした。

自分と詩の関わり方をテーマのある文章のエッセイと、取り留めなく書いた日記の双方から表すことができた本かな、と思う。しっかりした戦略を持たずに詩人としての活動を始めたのに、ちゃんと今日まで詩人をやれている。わたしの活動はノリと勢いと運でなんとかなっている気がする。これもまたちょっとした奇跡。

◎詩の水辺(合評会)の話

そろそろ嫌になってやめてしまうかもしれないと思っていたけれど、ちゃんと続けられている。1月・4月・7月とやって、秋は別の試みのためにお休みした。合評会をしていて困ったことが起きていないので、もう少し続けていきたいと思う。定期的に他者の作品を読み感想や意見を言う、他者に読んでもらい感想や意見をもらう、という場があると自分の詩を見る目が狭くならずに済むという感触がある。

◎文学フリマ大阪の話

これはこの振り返り記事を読んでいただくのが一番。文学フリマ東京ほどではないにしろ、大阪も中百舌鳥でやっていた頃とは比べ物にならないくらい参加者と来場者が増えて、自分がどう文学フリマと関わりたいのかを考えたほうがよいのかもしれない。たくさん売りたいのか、なんらかの人脈を得たいのか、その場にいること自体を楽しみたいのか、周りと交流したいのか、など目的に合わせた手段を考えて参加しないと、ただただ疲れてしまう気がする。

◎生活の話

相変わらず、会社員として働き、読書し、詩を書き、ライブに行き、家事をし、友達と出かけ、時々合評会を開き、稀に高い服を買い、といった日々を過ごしている。

わたしは発達障害をオープンにして一般企業で働いている。丸2年の常勤非正規期間を経て、無事に正社員登用された。仕事内容も待遇も隔てられていないので、長く働いていきたいと思う。転職してからこの2年くらい自分の元気とお金の双方がある状態になり、それが楽しくて、いろいろ出かけたり買ったりしてちょっとお金を使いすぎた。使わなければよかったとまでは思わない。お金で元気は買えないし、元気なだけではお金は入ってこないから、ちゃんと心身ともに健康を取り戻した上で、ある程度の収入が得られる職に就けたことが何よりだった。その楽しさを持ちつつ、もう少し冷静にお金を使うようにしたい。

春にジムに入って、もったいないから週2回くらい通うようになり、もう9ヶ月くらいになる。ようやく体重が減り始めたのはよいのだけれど、ここ3ヶ月くらい筋肉が減って脂肪が増えているのをどうにかしたい。ジムのスタッフさんも「コンスタントに通っているのに?」と首を傾げていて、食事記録をつけてみるようアドバイスを受けたところ。ちょっとバランスが悪かったみたいなので、そこを意識したら変わるかしら。

稀に高い服を買うようになったのは、完全に友人の影響である。出かけたときに服のセレクトショップやアーカイブセールに行きたいと言われて付いて行くと、1着はあまりにも可愛らしくておしゃれな服を見つけてしまい、悩みながら結局買ってしまいがちだ。大阪という土地柄からか、店員さんも親しみやすい感じだから変に気後れしなくて済む。去年はosakentaroのブックカバーとジグザグステッチデニムを買った。デニムだからあまり気を使わず普段から着ている。今年はYUKI SHIMANEのロングパンツ(春夏物)を店舗移転セールで、JUN MIKAMIのショートパンツ(秋冬物)をアーカイブセールでお得に買うことができたのが嬉しい。この2つはどちらかというとおしゃれをしたい日に着る。

◎ミュージシャン(SHINさん)を追いかけている話

今年はファンクラブ限定ライブに2回、ツーマンライブに2回、ワンマンライブに4回行っている。指折り数えてびっくりした。しかも、運がよくて最前列ど真ん中や2列目の真ん中辺りで見られたり、ライブグッズのくじでひたすらアクリルスタンド(目玉商品)を引いたり、オンラインくじでサイン色紙を当てたりした。

夢を掲げて挑戦や努力をしている人なので、それが叶うといいなあという気持ちで追いかけているし、単純に歌声と楽曲が好きである。人生で初めてファンクラブなるものに入り、今月頭に4回目の更新したのもびっくりだ。

そして、人が頑張っている姿を見るとなぜか自分も励まされる、ということがあると思う。だから、ライブに行った帰り道では「自分の詩を頑張るぞ!」という気持ちになる。音楽と詩でジャンルは違うのだけれど、目の前で歌として作品を表現されていることが刺激になるのだろう。息抜きや励みにもなっているので、来年も多分行けるライブには行く。というか、年始早々に東京でツアーファイナル。