文学フリマ大阪12に出た話は先日書いたので、それ以外のことを書く。
秋分の日の三連休はとあるワークショップへ参加した。期待していたものとは異なったのだが、自分の中で言葉が占める位置や大きさが分かったのはよかった。その後に書いた詩の中に「祈りとしての手の動き」と出てきて、これは詩集のタイトルになると直感した。それで、大雑把ではあるが使いたい印刷所のwebサイトで簡易見積もりをして、費用や背表紙の厚みを算出した。背表紙の厚みがわかれば表紙が作れるというわけで、手元にある写真を使って表紙の案を作ってみた。これで器ができたので、安心して中身を作れる、というかなぜか中身が出来上がる。表紙は後から直せばいい。2025年夏に完成を目指すからまだ時間はたくさんある。2024年は詩を書いて、書いたものを読み返して徐々に絞り込んでいけばよくて、最終的に収録する詩とか配列とか価格とか表紙の完成形とかは、年明けから考え始めても間に合う。
それから、エッセイ+日記本のタイトルは『食べる、読む、書く。』にしようと思った。たぶん、詩のことを考えたり実際に書いたりしている時間より、晩ごはんに何をどう作るか・どこで何を食べるかといった、食べることを考えている時間のほうが長いし、本を読んでいる時間のほうが長い。せっかくなら、いくつかレシピとか自分が思う料理のコツとかを載せても面白いかもしれないな。
久々に毛利志生子『風の王国』シリーズ(コバルト文庫)を読みたくなり、シリーズ27巻のうちなぜか1巻だけ集英社文庫になっていてまだ新刊本で手に入るのでとりあえず買ったけれど、それで収まるわけがなくてネットで見つけた古本のコバルト文庫版全巻セットを入手した。以前はSonyのReader(電子書籍)で読んでいたのだけれど、端末を手放しアカウントも削除していたのだった。
手に入れたからには早速読み始めている。唐の公主(王女)が吐蕃に嫁した史実を元にした物語で、主人公が自分ではどうしようもない大きな流れの中、自分にできることで自分の生きる道を切り開いていく。わたしが好きな少女小説は、少女が一方的に守られる存在として描かれるのではなく、迷い傷つきながらも自らの意思で自らの人生を切り開いていく姿を描き、成長していく物語だ。『風の王国』もそうだし、須賀しのぶ『流血女神伝』もそう。